絵画芸術において、色彩は重要な役割があり、作品に深い意味と印象を与えます。
時代によりその色彩の色合いや、使い方は違いますが見る人の心を揺さぶり、感動させたに違いはありません。
ルネサンス時代から、美しい色彩は多くの画家たちに使われてきましたがここでは、
デッサンの線より色彩を重要と考えて表現した画家を紹介します。
「色彩」で絵を表現した巨匠たちその1
油絵がおつゆ状からポマード状になるにつれ、絵具の盛り上がや、タッチを重視する画家が増え始めるのは、ルネサンス後期からです。
バロック、ロココ、新古典主義、を経て19世紀までの画家から特徴のある巨匠を選びました。
ここで紹介する巨匠は、ティッティアーノ、ポントルモ、エル・グレコ、フェルメール、モロー、ターナーです。
ティッティアーノ
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ヴェネツィア最大の画家ティッティアーノは素晴らしい色彩感覚で大作を描いています。
彼の絵筆のタッチは、絶妙で普通の画家にはとても描けるものではありません。
ティッティアーノの枝に、ハイライトはなく画面は奥に入り込んでいて、自然で美しく画面全体の調和を感じます。
ボッティチェリに続いて神話画を得意とする画家です。
マダーレーキとラピスラズリが彼の好きな色です。
ポントルモ
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ポントルモはルネサンス後期のマニエリズム画家です。
長く引き伸ばされた人体は、重力の重みから解放されています。
彼の絵は、ほぼ全光でパステルカラーの色彩で人物を描いています。
この絵は忘れがたい不思議な霊的な力を持っています。
エル・グレコ
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エル・グレコもマニエリズムの画家ですが、彼の絵具の使い方やタッチは、現代でも違和感なく受け入れられます。
彼のこの手法は、現代に最も近く、まるでチューブ絵具で描いたような絵肌なのです。
色彩は黒と白を基調にして、表現しています。
この独特の技法は、年老いたティッティアーノの技法から得た方法です。
彼は若い時、ティッティアーノ工房にいました。
フェルメール
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フェルメールの絵の特徴は、光を受けた美しい色彩と空間表現です。
彼の絵には、1人か2人の人物がよく描かれています。
ですが、フェルメールの絵の画面には、たくさんの色がちりばめられていて、
見る人の眼を楽しませてくれるのです。
全体の構図は完璧に計算されています。
モロー
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モローの幻想的な絵画は、彼の素晴らしい想像力と宝石をちりばめたような美しい色彩が、見る人をひきつけます。
モローの絵画は、宗教画や神話画が多く、インドとペルシャの影響を受け、彼独自の世界に描かれています。
モローは次々に新しいアイデアが浮かび制作しますが、時間が追い付かず未完の作品が多いのは残念です。
ターナー
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ターナーはイギリス最高の風景画家です。
ターナーの絵は、大気、空気、風、光を描き、空気遠近法を使いさらに独自の表現に到達しています。
あらゆる色彩を、巧みに操り素晴らしい状況を再現し、印象派の出現を予感させています。
「色彩」で絵を表現した画家たちその2
19世紀後半から20世紀まで絵の色彩に対する、画家たちの思いや考えは数多くあらゆる表現を発表します。
色彩から始まった議論から形の見え方が変わり、さらに新しい表現が生まれました。
ホイッスラー、サージェント、ルドン、モネ、ルノアール、ピサロ、ゴッホ、スーラ、ボナール、マチスの絵を紹介します。
ホイッスラー
![](https://i0.wp.com/taesunworld.com/wp-content/uploads/2018/10/449px-Whistler_James_Symphony_in_White_no_1_The_White_Girl_1862.jpg?resize=349%2C700&ssl=1)
「白のシンフォニー」とホイッスラーは、いつも絵の題材を色で表しています。
彼はハーモニーを求めて、純粋で美的なテーマを持つ絵を描いて、鑑賞者に衝撃を与えた画家です。
図柄と色彩の調和ある配列が、ホイッスラーの第一の関心事でした。
サージェント
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サージェントはアメリカの画家で、フランスとイギリスで活躍した画家です。
サージェントは人物と花を印象派の手法で表現しながらも、詩的な装飾的な処理で和らげています。
移ろいやすい光の効果をとらえるところに、画家の最大の関心が感じられます。
この絵でサージェントは、光の表現に苦心したと言われています。
ルドン
![](https://i0.wp.com/taesunworld.com/wp-content/uploads/2018/10/Redon.flower-clouds.jpg?resize=700%2C587&ssl=1)
ルドンのパステル画は幻想的であり、美しい色彩が特徴です。
まるで夢の世界に入り込んだような、不思議な感覚を体験できます。
ルドンは、パステル画の可能性を広げた画家でもあります。
モネ
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真昼の日差しの中の光の色彩と、風を感じるこの作品はジベルニーで描かれた作品です。
モネの作品でもとても人気のこの作品は、素早くも正確な筆の、伸びのいいタッチと色彩にあるのでしょう。
逆光の中での反射を捉えた色彩は見事と言えます。
ルノワール
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印象派の時代になり、ルノアールの色彩はパステルカラーに近い色になっていきます。
何でも描ける才能があるルノアールは、人一倍悩んだはずです。
カラー写真を先取りした影のとらえ方、色彩により輪郭線はなくなり、見る人の心を和ませてくれる色彩を作りあげました。
ピサロ
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印象派のの中でもピサロは点描画の手法を発見し、色とりどりなモザイク的風景画を描きだしています。
彼の描く風景は、点描的ではあるのですが、造形的に捉えています。
実物を見ると、その苦労が伝わってきます。
ゴッホ
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ゴッホは、ジャポニズムの影響を受けた画家で、この作品も掛軸を真似て描いています。
色彩は、得意のイエローとオレンジを使い、太陽を強烈に協調して描いています。
黒い輪郭線を綺麗に残して、形を整えているところが、ポイントになっています。
スーラ
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スーラも点描画の画家ですが、ピサロに比べてさらに形を省略しています。
正確な観察力に加えて科学的な色彩理論に支えられ、細かい色の斑点を個々の絵の具を混ぜずに置いていく非常に独創的な絵画技法を生み出しました。
ボナール
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ボナールはフランス画壇で高い評価を得た人気画家です。
ボナールは日常生活のなかのさりげない光景を、穏やかながら多様な色彩によるハーモニーを演出しました。
まばゆいばかりの光と華麗な色調は、不思議な魅力を誘いだしてくれます。
マチス
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マチスは日常のなかの普通にある状景を、限られた線と単純化した形、そして目を移る色のみで絵を描いています。
それだけでも、形として成り立つことを証明し、後にこの試みはさらに単純化していきます。
ピカソは自分より才能がある画家はマチスだと言い残しています。
まとめ
ルネサンス後期から20世紀までの巨匠を紹介しました。
時代によって絵の具の使い方から、色の乗せ方も違っていますが、画家の生きた時代背景によって、いろんな画風がありますね。
絵の色彩は自分の絵の魅力を表現するものなので、自分に合う色と使い方が大切になると思います。
まだまだ素晴らしい画家はたくさんいるので、また紹介できればと考えています。