油絵の具を使う喜びは、絵具を使いこなしていくことで感じる部分です。
プロの画家は、油絵の具の色によるメーカーを選ぶのも、楽しみの一つになっていきます。
絵の具メーカーのこだわりと、その奥の深さを学んでいきましょう。
自分の好きなメーカーを見つけることも大切なことです。
油絵は絵具の色で見え方が違う
街の大手画材屋さんに行くと、お店には国内外のメーカーの絵具が並んでいます。
絵具のメーカーは、国産メーカーと外国めーかーがあります。
どんなメーカーがあるのか見てみましょう。
大きな画材屋さんで買えるメーカー絵の具
初めて油絵に挑戦する初心者の人はよくわからないと思いますが、日本で手に入る絵具を覚えていくと結構楽しく絵を描けますよ。
絵具はあなたの作品の個性を引き出す道具の一つです。
僕が良く見かけて買うメーカーです。
・ウィンザー&ニュートン(イギリス)
・レンブラント(オランダ)
・マイメリ(イタリア)
・ルフラン&ブルジョワ(フランス)
・ブロックス(ベルギー)
・ホルベイン(日本)
・クサカベ(日本)
・マツダスーパー(日本)
・ムッシーニ(ドイツ)
絵具で作品の色彩は、その人の使う色でイメージが出来上がってしまうように思えます。
同じ色でも、メーカーによって違うので少しずつ試して自分の理想の色彩を探すのがいいですね。
(僕はまだ、ムッシーニ、マイメリ、は使っていません)
まずは使ってみて絵具になれることが重要です。
絵具をまずは使ってみること
使ってみるとわかってきますが、メーカによって絵具の練り合わせオイルの違いで、硬さや伸びが違うことに気づくはずです。
メーカーによって、リンシード練り、ポピー練り、サフラワー練り、ウォールナット練りがあります。
マツダはポピーオイルで練っていますし、レンブラントはリンシードオイル、サフラワーオイルと色により違います。
ほとんどのメーカーがサフラワーオイルになりつつあります。
各メーカーの絵具を使ってみないことには、まったく違いがわらないのは当然ですが、初心者はホルベインかクサカベで十分でしょう。
僕は初めはこの二つのメーカーに頼っていました。
今でも使っている絵の具の半分はホルベインです。
とても使いやすい絵具です。
絵具と溶剤の相性
徐々に油絵に慣れてきますと、自分の描く絵に使う溶剤が決まっていきます。
そして絵具も発色の良いものから、暗いものまで使う色がわかってくると、溶剤と絵具の相性を考えるようになるのです。
ヨーロッパでは、例えば印象派のような絵を描く場合い、ほとんどポピーオイル、ウォールナットオイル(クルミ油・イタリアでは)を使う人が多い。
リンシードオイルだと明るい色(色によります)が後に黄ばむ恐れがあるので避けるのです。
というようなこともあるので、気にしないのであれば何でも使ってみるのもいいと思います。
僕は気にしない方でしたが、初心者の頃の作品を20年たった今、バックの厚塗り部分のチリメンジワを発見しました。
その部分はボイルドポピーオイルのみ、ボイルドリンシードオイルのみでの厚塗りが原因でした。
まだ初心者だったので仕方ないですね。
ボイルドオイルは単独では使用しないことです。
僕が使うメーカーと色
僕はメーカーによって良い特色を利用しています。
マツダスーパーはバーミリオンやカドミウム系が有名ですが、僕はライトレッド、ローアンバーを愛用しています。
マツダの土色系がほかのメーカーに比べると、少しボディーの入った柔らかい色合いなので、人物を描くときに使用しています。
土色系でいいのは、レンブラントとブロックスがいいですね。
深い色合いで、レンブラントの絵具は一番使いやすいと思います。
古典絵画の昔の色に近いので、ヴァンダイクブラウン、ヴェネチアンレッド、バーントシェンナー、ロージェンナーなどを愛用しています。
あとブルー系も好んで使っています。(値段の割に綺麗です)
ブロックスは高級絵具で、オランダのアムステルダム美術館の絵の修復にも使用されている名品です。
僕は個人的にホルベインの社長とお話したことが何回かあります。
結構色々質問して教えてもらいました。
ヴェルネが出る前にサンプルまで頂いて・・・
(ホルベインはハンス・ホルバインの意味らしいです)
ホルベインのバーントアンバーとテールベルト、ピーチブラック、ウルトラマリン、クリムソンレーキは基本色として愛用しています。
ニュートンはウィンザーレッド、カドミウムグリーンとか、わりと明るい色がいい。
ホワイトはホルベインのシルバーホワイト(これにはチタニウムが少し入っている)ブロックスのフレークホワイト(昔のシルバーホワイトで発色が弱いが丈夫、少し高い)の二つを使います。
値段の幅は広い
値段ですが、やはり外国製は少し高いメーカーが多いですね。
結構いい顔料と輸送コストでしょうか?
ホルベインとクサカベは初心者にはちょうどいい値段で性能も問題なさそうなのでお勧めになります。
マツダはプロ仕様絵具のように使い分けできないと、もったいないと思うので中級者からでもいいかもしれません。
が・・・・・
自分が「この色好き!使ってみたい!」となると買ってみてもいいでしょう。
憧れの絵具を使える喜びで、モチベーションが上がって、いい作品が描けるかもしれないから・・・!!
これって結構大事ですよ~!
僕は今回ルフラン&ブルジョワのカドミウムグリーンを購入しました。ニュートンのカドミウムグリーンがなくなっていたのでルフランにしました。
安い絵具でも美しい色彩を出せる
僕が良く使う方法ですが、友達やその知り合いが絵を辞めたので絵具を引き取って使ってほしいと持ってくるのですが・・・
引き取って再利用するにもオイル漏れがあったり、古かった場合絵の具が硬いので、テンペラの溶剤を少し混ぜて使うと、発色が良く絵の具がよみがえるのです。
この方法は、ルネサンス時代にテンペラから油絵具に代わっていく時代にしていたことなので大変いい方法です。
レンブラントも卵の入ったメディウムを使っていたので、各時代の個人の技法の一つだったと思います。
油絵具は使う前にパレットナイフで少しオイルでねると、よみがえるので色々やってみてください。
まだほかにも紹介していない絵具とメディウムがありますが、時期が来たらまた紹介したいと思いますのでそれまで、油絵を楽しんでください。
まとめ
初めて油絵を始める方は、どこのメーカーでもいいので、セットで買う方が安いかもしれません。
足らない色は、買い足すといいと思います。
絵具は原色だけで使うだけじゃなく、自分で色を組み合わせて色を作る練習もするといいでしょう。
僕のいちばんのおすすめメーカーは、ホルベインとレンブラントです。
ホルベインはかため、レンブラントはやらかめに練った絵の具です。
とても使いやすいので、試してみてください。