絵を描いて挫折する人・・
今の自分の画力と自分に合う道具、自分を表現する画風。
これらのことで悩んで、「ほとんどの人達」が絵を描いて挫折する原因だといいます。
挫折しないためには、焦らず、一つ一つ分析して研究する姿勢が必要です。
絵を描き続ける努力はもちろん必要ですが、自分が絵を描いていける環境作りが大事になってきます。
まずは、自分の夢の方向性を、まとめるところから始めてみてください。
絵を描いて挫折しない方法その1
デッサンで挫折しない方法
絵を始めたばかりの人達の最大の悩みはデッサンです。
デッサンは自分の絵と関係ないと思っている人が、全体の半分近くになります。
でも、いくら自分の絵が抽象的または平面的であったとしても、最初の形や造形と質感、陰影と光の流れ、全体と細部、物のあり方と存在または空間など様々なことを、デッサンを通して学ばなければ、作家になってもある時いきづまりますし、厚みのある平面も描けません。
(木炭で形を描く)
僕はそのような画家たちをたくさん見てきました。
初めてデッサンを始める場合、デッサンの基礎を分けてひとつずつ理解していくことが大切です。
初めから全部は難しいので、ひとつずつこなしていけば時間はかかりますが、正確にマスターできるでしょう。
・構図と入れ方
・計測、水平と垂直
・比例(プロポーション)
・構造と骨格
・軸、中心線と方向
・断面の形
・線と面
・明暗と調子
・量感と質感
・部分と全体
・物の魅力
・線遠近法(透視図法)
・調子遠近法(空気遠近法)
出来そうなことから、ひとつずつこなしていけば自然にデッサンの基礎をマスターできます。
デッサンをマスターするには、見る力と観察力、継続力、努力が必要です。
頑張りましょう!!
あとテキストや名画などを見て、自分なりの方法を探して上達していくのも大事です。
制作で挫折しない方法
制作で挫折するということは誰にでも訪れます。
画家にとっての一つの壁のようなものです。
制作過程での挫折の理由はたくさんありますが、創作の根底となるものからずれ始めたときが多いようです。
絵を描くには基本的に技法が必要なのは確かですが、大前提として「自分」というものが重要で、自分に何もなければ何も始まりません。
絵を描くとき真っ白なキャンバスに向かって、どれだけ純粋な目で見て純粋な自分でいられるか、またそういう自分を作ることが、画家の出発点だと思います。
(バーントシェンナ、アイボリーブラックで下描)
いきなり個性を出そうなどと思わず、まず自分の理想と夢を前提に、自分自身の思想を作り上げていくことで、必要なものや方法を手に入れることになります。
巨匠たちの影響から多くを学び、自分の目で見て、自身の表現にしていくと、自然に制作できるようになります。
楽しくなってきたら、挫折感などはなくなります。
絵を描いて挫折しない方法その2
公募展で挫折しない方法
公募展は公募団体と、市が主催するものに分かれます。
公募展のメリットは大作を描き、大きな美術館の壁面に飾ってもらえて、多くの観客に自身の作品を見てもらえるというところです。
またそこで賞などがもらえた場合注目もされ、公募団体では会員になれる切符が手に入ります。
市が主催する公募展では、グランプリに輝くと賞金などもあり新聞に大きく取り上げられます。
でも公募展はそれほど甘くはありません。
大きな大作を三点出品して,最終審査で一点入選するか、落選するかになります。
画材費と運送費、出品料などがかかるので、最初から覚悟しておいてください。
(昔描いた抽象画・ミクストメディア)
公募団体はあらゆる派閥があり、多くの個性のある人がいるので人間関係で悩む人もいます。
絵が上手くなって会員になれる人もいますが、逆に人々の批判や中傷などで悩み苦しんでダメになる人も多いのです。
自分に合っている人にはいい発表の場でも、合わなければ早く辞める方がいいでしょう。
挑戦するのはいいのですが、自分の目標に合っているのか確認しましょう。
調子が悪くて、継続できなくても挫折しない方法
絵のテーマや描いている画風、画材などでなぜか継続的に描いて行けない・・・
そんな時は無理をしないことです。
これもみんなが通る道なので、言いますが何もしないか他のことをしてみてください。
何日か時間をおいてやりたくなれば、始めてみる方がいいと思います。
絵にいきずまったり、絵を描くのが疲れて描けない時もあるでしょう。
そんな時は自分の心に従って、画材を変えてみたり、どこかで何かほかのことをしてみてください。
本を読んだり、誰かに会ったり、公園で緑を見たり、映画を見るとか何でもいいと思います。
自分の気の向くことをしていると、自然に何かヒントや、アイデアにつながることを見つけられるかもしれません。
神経質になっているときや、憂うつな時は何もしないことです。
逆に絵がつぶれてしまうかもしれません。
絵を描いて挫折しない方法その3
絵を指導してくれる人を見つけるとで挫折しない
自分一人で絵を描いていると、上手くいかずイライラすることもあります。
教室や共同制作できるアトリエなどがあればいいのですが、なかなかそのような環境で絵を描ける人は少ないと思います。
そのようなときは、自自分の尊敬する画家を見つけて、師事してもらえると一番いいでしょう。
個人でしている研究所や、絵画スクールを受講してみるのも一つの方法です。
初心者や中級者の人は、慣れて一人前になるまで指導を受けることで、無駄な時間と神経を使わなくて済みます。
とにかく自分に絵に合う先生を探して、指導してもらうことで自分の道をまっすぐに進めるでしょう。
自分に共感してくれる仲間を持つことで挫折しない
絵を描く事は孤独な作業です。
自分一人で独学で制作していると、自分自身が見えなくなるときもあるでしょう。
絵画教室や公募団体に所属していると、同じ分野の仲間ができます。
あとはSNSなどで知り合った画家と友達になると、絵の意見や自分との考え方に共感をもってくれる人が現れたりします。
あと個展会場やグループ展にも行ってみるとパーティーなどで、紹介されることもあります。
このように少しずつ仲間を持つことで、気軽に悩みや意見を聞いてもらえるようになると挫折する率も減ります。
でもほとんどの画家は、挫折しても自分の力でまた立ち上がり問題を解決していますが・・・・
初めの頃はすべてが初めてなので、仲間がいた方がお互い励ましあいながら前に進めるのでいいと思います。
自分の憧れの画家の絵を所有することで挫折しない
初心者が独学で絵を描くとき、一番難しいのが自分の描いた絵の出来を判断するときだと思います。
家に画集やポスターなどはあっても、なかなか細かいところから、絵具や画面の質感は見えないので、憧れの画家のお手本が欲しくなります。
大学生なら講師にお願いして絵を見せてもらえるでしょうが、なかなか取り合ってもらえないことの方が多いでしょう。
画家は忙しいので、そこまでできません。
(僕が二十代後半に描いた静物画)
ヨーロッパのように美術館で巨匠から学べるという環境ではないので、日本での方法としては身近な憧れの画家の絵を参考に並べてみ見ると、自分の実力やレベルを判断するいい材料になります。
ルーベンスやレンブラントは自分で巨匠の作品をコレクションしています。
お手本として大巨匠の作品と自分の作品を比べてレベルを上げていました。
僕も若い時絵を買うお金がなかったので、先生の絵が欲しくて三分の一ほどで絵を譲って欲しいと先生にお願いしましたが・・・
周りの人達に怒られてしまいました。
ただ先生の絵を見本として、手元に置きたいだけでしたけど、絵の世界には絵の相場というものがあり、80歳を超えた先生の絵はそう簡単に値下げなどできるはずがなかったのです。
どんな小さい絵でも手元にあれば絵の上達の助けになり、誰よりも早く画力が身につくことになります。
原画を借りる方法もありますが、信用がなければ貸してもらえないので現実的ではありません。
できれば画家に自分の熱意を話し、所有したい気持ちと理由を説明して、作品をお手本として購入できるといいのですが・・・
まとめ
絵を描き続けるのは、難しいことです。
画家というのは、絵が上手いだけでなく、絵を描き続けていける強い信念があります。
大きな夢を持っている人ほど、強い気持ちで目標に向かって努力していると思います。
別にプロにならなくても、絵が好きならじっくり描き続けてもいいと思いますよ。
趣味で描いていても、後でどうなるかはわからないものです。
挫折しそうになれば、じっくりと考えて焦らないようにリラックスしましょう。
あなたには、まだまだ時間がある。