僕がまだ絵を学びはじめたころ、絵の良し悪しは自分の趣味や、その時の印象だけで判断していました。
ほとんどの人はそのような軽い気持ちで、絵を見て作品に感動するのが普通だと思います。
ですが、画家を目指す人たちには、いい作品をたくさん見ることが、自分の仕事と制作レベルに影響すると言えます。
僕も20歳のころ講師の先生に「絵はただ数を見ればいいものではない」と教わったことを思い出します。
「上達したければいい絵をたくさん見ること」この助言の意味は理解していましたが、先生のおっしゃっていた「いい絵」の基準は若いころの僕には難しいことでした。
今になるとこの意味や作品を判断する基準はよくわかります。
いい絵をたくさん見ることで何が変わるのか?
展覧会を選んで時間の無駄を省く
普通に絵と言ってもイラストから版画や洋画、日本画、水墨画などたくさんありますが、どの分野にもあてはまると言えます。
それぞれ数多くの展覧会があるのですが、その展覧会も選ばなければなりません。
たくさんの絵を見る人に言えることですが・・・

僕は昔年間100を超える展覧会を見ていたので、このような判断をすることになったのです。
一度みて、全体の傾向やレベルを見て、判断し個人的なお付き合いがなければ今後は見ないようにします。
その分レベルの高い展覧会を見る
無駄に公募展やグループ展、個展を見る時間を、全体的にレベルが高い傾向の作品を見ることにして、時間とお金や労力を使うことにします。
どのような展覧会や個展でも、一つは何か得るものや感じることはありますが、できるだけ見る絵を選ぶことが後の自分を作ることにつながるので覚えておいてください。
そして、その分、自分の制作の時間に使うように心がけましょう。

いい絵をたくさん見ることで自分の眼が変わってくる
名画や、前衛で活躍する画家の絵をたくさん見ることは、自分の知らない世界や、技法、構成、テーマなどあらゆることで自分の、目線や想像力、画力に影響を受けることにつながります。
このように多くの展覧会でレベルが高い作家の作品をたくさん見ることで、良い作品とそうでない作品を判断出来る能力が自然と身につくのです。

いい絵をたくさんみることで自分の目線が変わる
目線が変わったら上、中、下で判断できる
今までの流れを実践することで自分の中で、絵のレベルを判断して学んでいけます。
人によって絵の傾向はいろいろありますが、ここでは自分の中で上、中、下で絵を観察し、自分のための勉強材料として割り切ることです。

自分の眼力と画力が自分の目線の判断基準につながる
一夜にしてこのような判断する目を持つことはできませんが、自分の画力が上がるにつれ、また絵を制作することで経験を積む過程で見えてきます。
自分に見えてくると、徐々に目線が上がり絵を見る判断力が増すので、作品に対する理解力と、作家の労力を感じることもできるでしょう。

いい絵をたくさん見るこで画力向上につながる
作家を理解することで制作の労力や苦悩が見える
いい絵、上手い絵を判断できてくると、画家の制作の意図や考え方、表現方法、描く労力、孤独な苦悩や悲しみ、喜び、希望、メッセージを感じそれらを理解できるので、自身の制作や画力に影響を与えます。

上手い絵とはどのようなものか?を考える
自分の判断で考えるのは当然ですが、世界的に有名な作家となってくると、どこがどのように上手いのか考えなければなりません。
画家や絵といゆものは、考えやインスピレーションがつながって、影響しあうものなのでその作家の周辺の画家を観察することが大切です。

新しい絵と名画などの古い絵を理解する
絵画の要素はたくさんありますが、それをすべて理解する努力は必要です。
現代の表現を作る自分だからこそ、古代の画家たちの仕事を理解していなければ、未来を描くのは難しいでしょう。
伝統を知ることで、より良い表現の幅が増えるといえます。

いい絵をたくさん見ることで想像力が広がる
人の夢と想像力は無限
人は、夢を見ることで創造力を生み出します。
画家の絵は人間の創造のひとつで、無限に作られてきました。
いい作品をたくさん見ることで、新しい考え方を自分に取り入れ表現の幅を広げてくれます。

いろんな創造力で生れる画風
現代では、西洋絵画600年の歴史のなかで表現が多様化している時代です。
社会は人が中心になり、個人が尊重される時代へと進んでいくでしょう。
個人が自由になっていくことで、表現の自由が新たな画風や今までにない角度からアプローチしてくる作家が増えてくると思います。

新たな時代に向けていい絵を描ける画家を目指す努力が必要
これからの時代日本では、さらに絵を描く人が増えていくと思われます。
日本の画家人口は少ないのですが、絵を趣味で描いている人は、EU全土で絵を描いている人たちと同じくらい多いのです。

そして絵を買う人も世界的に見ても少ない方ですが、画材を買う人はEUと同じレベルだといいます。
日本の絵画市場が盛り上がり、絵が売れる国になると画家人口は増え続けるでしょう。
本当のいい絵とは、人の記憶に残るメッセージ性がある絵、または何かを感じさせることができる絵、人を感動させられるレベルの絵だと思います。
まとめ
いい絵を見ること、探すことは日本ではなかなか難しいようにも思えますが、有名な画廊やギャラリー、公募展、美術館などで探すことができると思います。
またインターネットで世界の画家の絵を見ることもできるので、探してみると楽しいかもしれません。
自分独自の方法を見つけ、表現できる画家を目指して、日々学ぶことが自分の成功につながると僕は思います。
いい絵の基準を見分けるのは、時間と経験と自身の画力と目にかかわってきますので、経験が大きく左右することでしょう。
絵を見る楽しみや喜び、驚き、感動を忘れずに学んでいけることを願っています。