「油絵の具」の下地材は何を使う?使える下地紹介

ルネサンス期油絵の下地は、板に石膏下地を使っていました。

今でもこだわる人は、自分で膠から作っていますが手間がかかります。

この下地は水性と油性がありましたが、現代は油性の市販のキャンバスが一般的に使われています。

また、水性用のアクリル絵具用のキャンバスも販売されていますが、石膏の水性下地とは違うものになります。

作家によって作品の分野が増えている現在では、いろんな下地材があるので参考にしてみてください。

 

吸収性水性下地

キャンバス

市販のキャンバスには、アクリルと油絵両方の使えるものと、油絵用の二種類があります。

このキャンバスは何もしなくても、そのまま使えるようになっていますが、油を吸収しません。

油を吸収する下地は、キャンバスの裏側の白くない部分を使います。

そこに膠水を作り二回ほど塗り、白亜+膠水+水を混ぜて薄く3回ほどぬります。

(この下地は晴れた日に、よく乾かして塗り重ねていきます)

 

板は15世紀~16世紀にポプラやオークの木が使われていましたが、下地は先ほどと同じですが裏面から全体を塗ります。

板は虫食いの恐れがあるため、このように全体を塗る方がいいと思います。

また古代フランドル絵画やルネサンス時代の板絵は、つるっとした画面が特徴なので、この板の特徴を好む人におすすめです。

板絵は自分の好きなサイズや、形に切ることができるのがメリットになります。

 

和紙

板やキャンバスに技法として膠水の上に和紙を挟む方法もあります。

この和紙ですが薄いものを利用します。

和紙は油を吸収しやすいので絵を描くと画面がしっとりした感じになります。

有名なのは、ルーベンスなどがこの方法を使っていますね。

薄描きする油絵や、テンペラ画などに向いていますが、初心者にはおすすめできません。

この方法はあるていどの経験が必要になります。

 

アブソルバン

アブソルバンはホルベインから出ている商品ですが、膠水で自分で作る手間を省いて下地を作りたい人用の便利な商品です。

水を加えなくても滑らかに塗ることができ、手軽に白亜地のような下地を作ることができます。

基底材には、板、布、紙など吸収性のあるものであれば何でも使用可能です。

 

 

ジェッソ

ジェッソは本来アクリル絵具用に作られた水性の地塗り材ですが、現在では油彩画の下地としてもよく使われています。

キャンバスや板などに直接塗って使います。

ジェッソは水分が抜けるまで三日かかると言われています。

滑らかな画面を作るには、水を少し加えると薄く伸びが良くなります。

 

カラージェッソ

ほかにも有色下地にしたいときは、ジェッソにアクリルを混ぜて作ることもできますが、最初からカラージェッソを使うと便利です。

自分の好みで色を混ぜて、独自の色を作ることもできます。

いろんなカラーバージョンがあるんで、仕上がる絵によっては下地の色を選べる便利性がいいのが特徴です。

ホワイトと混ぜると、中間色を綺麗に作ることもできます。

 

粗粒子入りジェッソ

粗粒子入りのジェッソは、小さな砂のような粒が入っています。

ざらついた画面を作りたいときに使います。

粒の大きさも選べるメーカーがあるので、よく選んでください。

 

キャンゾール

キャンゾールはマツダスーパーから出ている、油絵用の油性下地です。

溶剤は酸化チタン、リンシードオイル、アルキド樹脂で作られています。

キャンバスや板に直接塗ることが出き、薄めたいときは、揮発性油のぺトロールを使います。

同じ製品でホルベインのクイックベースもあります。

これらの製品は色付きも販売されています。

 

ファンデーションホワイト

ファンデーションホワイトは油絵の下地用のホワイトです。

成分は鉛白、チタン白、リンシードオイルで練られています。

ファンデーションホワイトは絵具の発色と固着力良くし、また光沢と乾燥を調節するのに役立ちます。

一般的なキャンバスに塗られている白は、このファンデーションホワイトですが性能を改良したい場合に使用します。

できれば、一か月以上乾燥期間を経て使用してください。

 

モデリングペースト

モデリングペーストはアクリル樹脂に大理石の粉末を練って作った下地材で、エッジのきいた表現や盛り上げなどに使えます。

使用方法はそのまま使うか、水で伸ばして薄く塗るとツルツル壁のような下地にもなります。

 

銅板

金属支持体は16世紀、17世紀に使われていたようで、キャンバスに比べて丈夫であることから用いられたと考えられます。

巨匠ではレンブラントシャルダンなども銅板に描いた作品があります。

当時は銅版画の普及が多く、失敗した銅板などに下地を塗り使用していたのでしょう。

銅板にはポピーオイルは使えないようで、取り扱いにはプロの知識が必要になります。

 

アルミニウム

アルミニウムは現代絵画で使われています。

手ごろで油絵具も乗りやすい素材なので、アルミの光沢を利用した作品を考案する画家もいます。

アメリカの画家フランク・ステラとドイツの画家ゲルハルト・リヒターの作品は世界的に有名です。

まだ新しい素材なので、経過を見ないと絵の画面にどのような影響があるかは分かっていません。

 

カゼインによる支持体カズアルティ

カゼインをベースにした炭酸石灰による粉末状の製品で水に溶いて使う吸収力のある下地ができます。

カゼインはフレスコやテンペラ画の補助素材ですが、カズアルティは油彩でも使えます。

接着力はあるのですが、少し欠けやすいので硬い支持体地に適しています。

巨匠バルチュスが良く使用していましたが、残念ながら日本での販売は廃盤になりました。

海外から取り寄せて使うしか方法はありません。

ルフラン&ブルジョワで販売されていたと思います。

ルフランは最近昔の伝統から、科学的になってきてるのでフランスでも販売されているのかわかりませんが・・・

世代交代なのでしょうか?

でも伝統は守ってほしいですね。

 

まとめ

画家の作品の下地はたいへん重要なもので、下地次第で絵の出来が大きく変化することもあります。

作品によっては、吸収性、反吸収性を望む人がいるのでよく調べて、自分の作品に適した下地を作ることが大切です。

絵を描くということは、下地を作るということだと言える。

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taesun

画家活動をしています。西洋絵画を専門としていますが、東洋美術や歴史、文化が大好きです。 現在は、独学で絵を学ぶ人と、絵画コレクター、絵画と芸術を愛する人のためのブログを書いています。 頑張ってブログ更新していますので、「友達はスフィンクス」をよろしくお願いします。