油絵を始めるときに気になるのが、絵具の性質や使い方だと思います。
油絵の具を使いキャンバスに絵を描くのが、初めてな方が多いのではないでしょうか。
油彩画は水彩画や水墨画と違い、にじみで絵を描くことはほとんどできません。
絵具を重ねることで、厚みを出して、美しい色彩を出すことが一般的な使い方です。
でも、そのほかにも近代の絵画ではいろんな方法が生み出されてきました。
油絵の具の性質とオイルの関係
油絵の具を使うにはオイルが必要です。
オイルなしで描く人もいますが、なかなか器用な人だと思います。
また、数年後にひび割れが起きる可能性もあるので、少しのオイルでも必ず使いましょう。
オイルを使わないで、メディウムだけでも絵は描けますが、経験も必用だと思います。
油絵の具を薄めたり、筆運びを滑らかにするには、乾性油と揮発性油が必要です。
いろんな種類がありますが、ツヤと固着力をよくするには、樹脂を使ったり、スタンドオイルを使ったりします。
絵によっては樹脂が不要と感じる人がいるので、自分の画法と相談する必要があると思います。
この樹脂やスタンドオイルのようなとろみがあるオイルは、乾性油と揮発性油で調合して使います。
例えですが、
初心者向けの調合オイルレシピ
・スタンドオイル 1容量
・ヴェネツィアテレピンバルサム 1容量
・リンシードオイル 1.5容量
・それをテレピンで倍に薄める、そして下描きの場合はそれをさらに薄めるとよい。
好みはありますが、初めはこの容量で試してみるといいと思います。
描いていくうちに自分の好みが出てくるので、好みの筆運びや絵具の質感になるように調合していきましょう。
また、つや消しの表現をしたければ、ツヤ消し専用のオイルが市販されているので試してみてください。
このつや消しオイルは、1年ほどほったらかすとすぐに固まってしまいますので、固まれば湯煎して溶かして使うようにしてください。
オイルによってはポピーオイルやルソルバンだけで描くことも可能です。
ただし、固着力が弱いので、厚塗りには適していません。
印象派の画家たちは、このようなオイルを使って描いていたのですが、現在保存状態は非常に悪いので、少し考えて調合することをオススメします。
あっさりした絵を望むのであれば、リンシードオイルをはじめとした単独のオイルに少しの樹脂を入れるだけでも描けます。
面倒な人は最近調合オイルもいろんな種類が販売されているので、お店の人に相談しいてみるのもいいと思います。
油絵の具は厚塗りと薄塗ができる
油絵の具は厚塗りから薄塗りまで、幅広い方法で絵の具を使うことができます。
厚塗りはナイフでバターのように塗ることができ、乾燥メディウムを使うと速く乾燥します。
薄塗は、オイルで絵の具を溶くと水彩のように薄く描くことができる。
揮発性油を使うとさらに筆運びがよくなり描きやすくなりますが、、揮発性油だけだと絵が剥落する恐れがあります。
油絵の具は重ね塗りがいくらでもできる絵の具です。
自分の描きたいタイプの絵が薄塗でも、それを重ねて表現していける。
または、厚塗りした絵具の上から売塗りもできる。
絵具を厚く塗り、乾かないうちにそれをナイフで削ることもできる。
筆によって絵具を塗る濃度が違う
油絵の筆は種類もいろいろあります。
かたい筆から柔らかい筆、細い筆、ビニール筆などいろんな質感の筆が販売されている。
筆によってデリケートな細密描写、かすれた表現、うっすらした重ね塗りなど、いろんな塗り方ができます。
自分の好みに応じた使い方を知れば、貴方だけの絵の具の表現が可能になる。
画家にとって筆のタッチは、その画家の性格と個性を表します。
筆跡により、画家の実力や魅力も知ることができる。
油絵の具は下地で工夫できる
画家にとって、下地を作ることは大切なことです。
自分の下地で、絵が決まるとも言われているほどですから。
市販のキャンバスには、荒め、中目、細目があります。
キャンバスを選ぶのも大切です。
・厚塗りする場合は、荒め
・下塗りを重ねるなら中目
・あっさりした絵で薄塗りなら細目
工夫次第ではいくらでも方法があります。
他にもコラージュ、砂をまぜた下地、アクリル素材の下地、板による下地など、オリジナルの下地を考案しているが画家もいます。
自分の目的に応じた方法を見つけよう!
それらの油絵の具の要素を参考に、自分の描きたい表現を見つけていくことができます。
自分にとって魅力的な絵が、他人にとっても魅力的とは限りません。
でも、自分の作品を制作する場合は、そのようなことを考える必要はないので、気にしないであなただけのオリジナル絵画表現を見つけるようにしましょう!
自分の目的を明確にして、貴方の芸術の基盤になるように考えて描いてください。
まとめ
油絵の具は、さわってみないと絵具の感覚に慣れません。
何回も描いて、自分の好みを知ることができます。
実験や研究を重ねて、油絵の具の性質をよく理解することが大切です。
道具にも目を向けて、自分の好みのメーカーを見つけてください。
何事も勉強だと思い、いろんな画材を試して自分に必要なものを見つけていきましょう!