今回は中間段階に入ります。

ここから、物質として明確になってきた貝殻とカギですが、

細かい作業は見える部分まで、描いていただけたらいいと思います。

今見える段階で全体を見直して、また細部を見直すという感じです。

これ以上は描けないと感じたら、そこでまとめて仕上げとしてください。

あと、今回からバックに手を入れていきます。

バックは、想像で描く感じですので、自分の好きな色を使ってみてください。

わたしが描いた絵を参考に描いて、自分のイメージを入れていくと面白いかもしれません。

バックもある程度の絵の具をのせて、静物と同じような厚みを出してください。

 

本描き2

描き方は前回と同じ要領です。

絵具もさほど変わりませんので、もう慣れてきたのではないでしょうか。

ただ、オイルをもう一段階濃くしていきます。

ペンティングオイル4+テレピン1で調合してください。

シッカチーフは数滴入れる程度で、入れすぎないようにしましょう。

この作業を徹底的にマスターすれば、近い将来すぐに作家として成長できます。

また、小さい作品なので、密度のある画面と描き込みで、商品的価値を上げることができるので頑張ってください。

 

制作のポイント

制作のポイントは画面の空間を作ることです。

この動画では、バックに少し凹凸を描き込みます。

その場合、物に対する意識を、空気感という感じを表現することです。

空気感は陰影や、色彩のトーンによって作ることができる。

静物の細部の光や影との境目をきっちり描く事。

また、色彩のグラデーションを守ることです。

 

47・本描き

薄いグレーズをのせてニュアンスをつけていきます。

オイルとラピットメディウムをまぜて使うと、グレーズしやすくなります。

 

48・本描き

薄く塗ったグレーズの上から明るい光を描き足してもう一度ボディを入れました。

もう一度やり直します。

 

49・本描き

明るさを調整していきます。

ヴァン・ダイクブラウンとシルバーホワイトを使いました。

あとバーントシェンナもまぜて上描きしています。

 

50・本描き

貝の影もはっきりさせて描き込んでいきます。

影とはいえ、貝との絵具の乗りの差がありすぎるので、こちらも絵具をある程度のせていかなければなりません。

影に使う色はヴェネチアンレットとシルバーホワイト、ピーチブラックです。

影の外側は薄い色をのせています。

 

51・本描き

影との境目に、明るめの色を入れてトーンを整えていきます。

三段階の色を作っておきましょう。

白の多さで調整します。

 

52・本描き

同じような中間色がある部分を探して色彩を調整しましょう。

少しずつ貝とカギの空間の表現に意識を向けていきます。

 

53・本描き

濃い色で影をぼかします。

絵筆を軽く持って描いてください。

そして、いちばん明るい光を先に入れておきます。

すると、立体が生まれます。

 

54・本描き

全体に明るい色をまばらに塗ります。

ここから画面の絵作りを開始することになります。

 

55・本描き

濃い色を使い影を作ります。

画面に少し凹凸を作り、額縁のような感じにしようと構成していきます。

筆は何を使ってもかまいません。

今回は細い筆で描き込みます。

 

56・本描き

デザインは自由ですが、参考に見ていってください。

これはあくまで、一つの方法ですので、自分で、考えて自由に描いて行ってください。

自分のイマジネーションを使うことで、独自性を引き出すことができます。

 

57・本描き

シルバーホワイトを使い全体に、ランダムに塗っていきます。

ヴェネチアンレットをうまく調節して色を作りましょう。

 

58・本描き

外側に白が多めの色を塗って影と光をはっきりさせました。

この段階では、絵の具をのせることを考えています。

 

59・本描き

試しに土壁のイメージにしてみました。

すべて空想で描くので、はっきりとしたことは決めていません。

実際の静物はある程度正確に描きましょう。

 

60・本描き

消えた模様を描き起こします。

何度もしていますが、最終段階です。

今回は、模様を早く入れすぎたようです。

描くたびに違うので、模様を入れる時のタイミングは個人で決めてください。

 

61・本描き

バックももう少し早めに描いても大丈夫です。

静物とバランスをとりながら描く方が、描きやすいと考える人もいるので。

 

 

62・本描き

最終調整に入ります。

そろそろ質感も出てきたので、仕上げたいと感じてきました。

物というのは、人によって見え方が違うので、

自分がこれでいいというところで仕上がりとしてください。

 

 

63・本描き

ウルトラマリンとシルバーホワイトを使い色を足してみました。

ここでは、ウルトラマリン、シルバーホワイト、ヴェネチアンレットをまぜて部分的に青い色から紫に近い色を混ぜました。

 

64・本描き

イメージに青が出てきたので、実験的に塗ってみます。

イメージとしては、ヴェネツィアの壁なのですが、抽象的な事も思い浮かびました。

 

65・本描き

さらに明るい色を使い微妙な影の中の光の色を表現します。

色彩の幅が広がれば、それだけリアル感が出ると考えてください。

 

66・本描き

こういう空想的な作業は、個人によってだいぶ違いが出ます。

決まりはありませんが、色がとんで目立ち過ぎないようにする方がいいでしょう。

 

67・本描き

この画面作りは、遊びながら楽しんでください。

絵具を使って、色の勉強にもなりますし、絵具の使いにもなれる事もできます。

 

68・本描き

3色を使いいろんな表現をしてみましょう。

3~4色を使うと画面調整がしやすく、整いやすいのがメリットになります。

色は組み合わせることで、トーンを幅も調節できます。

布を使うことも、忘れないでください。

 

 

69・本描き

ここでは、青を多めに使いバランスを見てみました。

全体を赤っぽくするか、青っぽくするか迷っています。

 

70・本描き

まわりの色でカギと貝の見え方が違って見えます。

どのように見せたいのかも考えてみてください。

 

まとめ

標本のような絵画空間のイメージになってきました。

創造的な表現は、見て描くわけではありませんので、自分のイメージに合わせてこだわりを見せていきましょう。

一回でまとまる場合もありますが、静物とのイメージの組み合わせを大切にして制作してください。

完成イメージと、実際の画面が一致しているのかをよく考えながら制作を進めることが大切です。

イメージと違う場合は、何度でも修正できるので、試行錯誤を繰り返してまとめることにします。

お疲れ様でした。