絵を描いている人は、展覧会で自分の作品を発表したいと誰もが思うはず。
せっかく一生懸命に描いた作品を、多くの人々に見てもらいたいと考えることは自然なことです。
そして、自分の絵の評価についても、気になるところですよね。
評価次第で、今後の活動方法や制作目標なども変化しますから。
ここでは、展覧会での審査員の評価基準について書いていきます。
展覧会の種類
展覧会といってもいろいろと、種類が多い。
最近では、いろんな展覧会が増え続けていますが、基本的な発表の場を紹介します。
★展覧会の種類
・ギャラリーでの個展、グループ展
・画廊での個展、企画グループ展
・公募展
・絵画大賞展
・国際絵画展
以上が日本で評価される展覧会です。
展覧会によって、審査基準や、評価の方法はだいぶ違います。
展覧会の目的によって、審査員もかわってきます。
展覧会のレベル
展覧会には目的やそれに応じたレベルが分けられています。
・初心者や日曜画家向け
・新人からベテランまでの人向け
・経歴が長い人や、活動で評価を得ている人向け
・年配のプロ向け
自分のレベルや目的に合わせて、展覧会を選ばなければ絵が上手い人でも、評価されません。
展覧会が求めているレベルに、自分のレベルが当てはまっているのかよく調べて応募しましょう。
展覧会の種類で評価基準が違う
多くの展覧会がありますが、展覧会によって大きな違いがあります。
主催側が求めている作品によって、出品者も展覧会が違ってきます。
展覧会の傾向が、自分の作品に合っているのかを確認しなければ、あなたの作品は評価されません。
展覧会によって絵の評価基準がまったく違います。
・趣味や日曜画家たちを集めた展覧会
・現代美術専門の前衛美術展
・具象絵画専門の公募展
・大作専門の公募展
・新人発掘の絵画大賞展
・地域や町が主催する絵画展
・各公募団体が行っている展覧会
・画廊が主催する展覧会
・ギャラリーが企画する展覧会
・個人で行う展覧会
それぞれの展覧会は、目的があって開催されています。
自分のレベルとスタイルが、評価の対象に当てはまっているのかをしっかり把握して出品目標にしましょう。
評価を求めるなら属性の展覧会をリサーチする必要がある
自分の絵のレベルやスタイルによって、出品できる展覧会は決まってきます。
自分と同じような絵の傾向の展覧会や、いろんなスタイルを受け入れている展覧会に出品する必要があると思います。
・初心者から出品できる展覧会
・初心者だけの展覧会
・都道府県が主催する展覧会
・推薦で出品できる展覧会
・年齢制限がある展覧会
・ある属性だけにしぼられた展覧会
・現代美術だけの展覧会
・抽象表現だけの展覧会
・具象絵画だけの展覧会
・風景画だけの展覧会
など、応募内容をよく読んで出品しましょう。
出品には出品料が必用です。
企画や招待などもありますが、優秀な作家に与えられる特権です。
画廊の評価
画廊では、主に職業画家や公募展作家、フリーで活躍する画家を取り扱っています。
なかには、海外作家を取り扱う画廊もあります。
画廊には、百貨店や画廊同士の取引、コレクターへの売り込みなど様々ですが、画廊で取り扱う絵画は売れ筋作家がほとんどです。
●画廊で評価されている画家
・職業画家で人気作家
・取引している作家
・海外の有名画家
・売れる要素があるか
・公募展のスター画家
・新人作家
・公募展の会員、委員の作品
・海外在住作家
・過去の有名画家
・オーソドックスのなかでの新しさ
画廊では、これから売れていくであろう作家と、国内の人気画家にしぼられます。
前衛画家には、あまり手を差し伸べていませんが、これからは評価の基準が変更されるかもしれません。
絵画市場のコレクターの年齢層が若くなっていることもあり、これから現代美術にも力をいれ始めるかもしれません。
ギャラリストの評価
ギャラリストは世界中のギャラリー展覧会を共有することもあり、世界基準の現代絵画を評価の対象にしています。
海外在住作家や外国作家も、どんどん応援していくと思います。
大きく世界基準で絵画市場を展開していくのが目的で、国内だけというわけではありません。
評価の対象は現代芸術がほとんどで、絵画だけではありません。
●ギャラリストの評価する作品
・独創的な作品
・今までにない表現に注目
・一般的な目線では作品と思えないもの
・高度な技術を使っている
・内面的な表現が優先されているか
・作品と作品のつながりを見る
・作家の精神性に注目している
・一般的に見えていない部分に注目する
・技術的な革命に期待している
・社会風刺を取り込んでいるか
・現在の現代社会をいかに表しているのかを見る
など、一般的に理解しがたい最先端の精神性と表現で制作する作家を求めています。
今までの絵画以外の、新しい作品に期待しています。
公募展の評価
日本ほど公募展が多い国は他にありません。
それほど派閥が多いというのと、絵画を社会に普及させたいという目的もあります。
日本は、絵がそれほど売れる国ではありませんが、画材は売れる国です。
なぜか、絵を買う人よりも、絵を描く人の方が多いのです。
そのため、公募展は派閥が増え続けていきました。
これは昭和時代の絵画ブームが残した足跡のようなもの。
●公募展での作家の評価
・基本的な事が出来ているか
・表現方法に注目
・大きな画面空間をいかに使いこなしているか
・大作を描く力があるのか
・作家としての創作過程を見る
・技術的な部分を見る
・作品の魅力に注目する
・新しい考え方や表現方法に注目する
・画家の画力でレベルを分ける
公募展によって、いろいろと特色があります。
出品する前に、必ずその展覧会を見て自分に合っているかを確認してください。
大賞展の評価
絵画大賞展は、大きなものから小さなものまで、全国で募集されています。
大きな大賞展になると、出品料は高くなると思います。
また、作品も大きくなるでしょう。
大賞展のテーマや、方向性で審査をする人も違います。
展覧会のレベルによっても審査基準や求められるものもまったく変わってきます。
●大賞展の評価基準
・一定水準以上の画力が求められる
・未来性があるか
・現代社会との関係性
・作家の独創的な世界観
・表現の領域
・出品者の絵画と張り合える実力を見る
・絵画的に魅力があるのか
・優れた美的感覚に注目
・作品として厚みを感じさせることができているのかを見ている
・今後の活躍に期待できるか
絵画大賞展は、今後の日本の未来を担う力がある作家に与えられます。
大賞展は、画家を応援するような形で始まりました。
未来の画家を育成する目的がありましたが、現在大賞展は減り続けています。
海外での評価
海外でも展覧会はあります。
国際的に公募する団体はありますが、審査は厳しいものです。
日本のように、大作3点みたいなものではなく、20~30点の写真審査と経歴などで第一審査。
第二審査は、実際絵を送り審査されます。
他にも、写真審査と大作1点の審査など、かなりハードルが高く、ベテラン作家でなければ出品できません。
欧米の展覧会は厳しく、日本のプロ作家レベルの腕や経験がなければ出品は難しいかもしれません。
●海外での評価基準
・プロレベルかを判断される
・多くの作品を見て審査する
・世界レベルの画力があるか見る
・独創的な絵画を描けるか
・技術的に優れている長所が必用
・絵画的に魅力があるかに注目する
・画家の思想が絵に反映しているのかを確認する
・絵画的美しさ
海外の展覧会に入選することは難しいかもしれませんが、成功率が何倍にもなるので出品する価値はあるかもしれません。
日本と違い市場は大きいので、チャンスをつかめると画家人生が変わると思います。
まとめ
いかがでしたか?
展覧会での評価はすべて違います。
自分の絵の傾向や画力に合うレベルから出品してください。
好きな展覧会があれば、迷う必要はありませんが。・・・
大きな展覧会以外でも、個展やグループ展で活動している作家も多いので、徐々にレベルアップしていきましょう!!
皆さんの絵画制作活動を心から応援しています!!
・画家としてレベルアップし続けるために絶対必要なほうほうとは・・・